賢「やあ、康」
康「おお、賢。どうした?」
賢「いや、康に聞きたいことがあってね」
康「なんだなんだ、どうした?賢にわからないことが俺にわかるかわからないけど」
賢「いやいや、こればかりは康には知識で勝てないからな・・・」
康「ってことは、何か身体か健康のことか?」
賢「そうそう、その通り。今まで色々な勉強をしてきたのに、なぜか体調がすぐれなくてな」
康「なるほど。んで、どんな不調があるんだ?」
賢「とりあえず、仕事でデスクワークをしているんだが、肩こり、首凝り、眼精疲労が強くてな。首肩周りの筋肉が固いせいと見たので、原因を探っている」
康「デスクワークは首肩の負担は大きいな」
賢「やはりそうなんだな。それで、良い姿勢を取るために、椅子に浅く座り、肩を引いて、胸を張るようにした」
康「ああ、良くネットで見る良い姿勢だな」
賢「そうなんだよ。だが、良くなるどころか、腰痛まで出てきた」
康「腰痛の出る姿勢だもんな」
賢「そうなのか?おまけに睡眠も悪くなってきているんだが、何故悪くなっているのかがわからないんだ。調べると、血流が悪いから鉄分を取ろうとか、ストレス解消をした方が良いとか、色々とみるのでしてるんだが、一向に良くならなくてな」
康「まあ、殆ど関係ない対策ばかりになってるもんな」
賢「いや、だが数か所のHPを見ると同じようなことが書いてあるから間違っているとは思えないのだが?」
康「健康系のサイトって増えてるよな。でも、どこも同じようなことをかいてる」
賢「それが事実だからだろ?」
康「いや、どこのページもどこかのページに書いてることをマネしてるからだ」
賢「どういうことだ?」
康「簡単なこと。体の勉強って、当たり前だけどかなり難しい」
賢「まあ、そうだよな。医者や医療従事者の方々は学校もかなり長く通ってるもんな」
康「そうそう、なんでそうなるかっていうと、身体は複雑だからだ」
賢「なるほどなるほど」
康「例えば、それこそ肩こりで例を挙げると、肩を凝る筋肉っていうのは大きく2つあると言われている」
賢「見たことあるぞ!僧帽筋、肩甲挙筋だな」
康「そうそう、その通り!じゃあ、その筋肉がどこについてて、どんな働きをするかは知ってるか?」
賢「いや、専門家じゃないからわからないな」
康「そう!そこなんだよ。皆、その筋肉が肩こりを起こすというのは知っている。整体院や接骨院など、資格を持っている人は、皆知っているから、そういう情報発信をする」
賢「・・・なるほど、その肩こりをする筋肉の名前は広がっているものの、その筋肉の詳細は知らないと」
康「そうそう。そうなると、どうなるか?名前ってのは便利だから、『僧帽筋ストレッチ』とか『肩甲挙筋ストレッチ』とか効果のないものでも、名前がついてれば惹かれるんだ」
賢「ああ、確かによく見るな。あとはマッサージとかツボ押しとか」
康「それらもてんでおかしいこと書いてるんだよな。でも、多くのサイトで同じように書いてるから、嘘の情報が本当の様に広がって、賢の様に真面目な人間が騙されている」
賢「だが、猫背で肩こりになるのは事実だろ?」
康「うーん、実際はそこも微妙なんだよなぁ。そもそも、猫背で肩こりが起きる原因がいまだに良くわからない」
賢「なに、康でもわからないのか?」
康「そうそう、上で書いた通り、肩こりをするのは僧帽筋と肩甲挙筋なんだけど、両方共猫背になると緩む筋肉なんだ。猫背で首が痛い、頭痛が出る、不眠になる、というのは分かるけど、猫背で肩こりが出るのは全く意味が解らない」
賢「だが、大体どこのサイトにも書いてあるぞ?」
康「どっかで言われたからそれが拡散されてるんじゃないかな。凝りっていうのは基本的に使われ過ぎで出る症状だから、猫背みたいに緩んだ状態じゃあんまり起きないんだよな」
賢「じゃあ、何故俺は肩こりがある?」
康「賢の場合、以前は分からないけど、今は良い姿勢に見えて、悪い姿勢になってる。一度デスクワークの姿勢見せてもらって良い?」
賢「まずは椅子に浅く腰掛け、胸を張り、どちらかというと足に体重がかかる感じだな。かなり良い姿勢を取っている感じがする」
康「OK、全く違うので治そう。まず、椅子には深く腰掛けて、背もたれに軽く寄りかかる。その時、お尻は前に滑らせず、一番深く座るイメージ。体重がかかるのは、ちゃんとお尻の部分。・・・そうそう、そんな感じ」
賢「いや、これだと猫背の感じがするのだが・・・」
康「普段胸張り過ぎてるからな。でも、背中の骨ってちょっと丸くなっているのが正解だから、胸を張り過ぎて良い訳がないんだ。背中の丸み無くなっちゃうからな」
賢「なるほど・・・だが、今座ってて楽なんだが、こんな楽な姿勢で良いのか?」
康「さっき言った通り、力の入っている姿勢は力の入ってる箇所に負担をかける。だから、楽な感じで良い」
賢「そうか、確かに楽で力が抜けるが、ちょっと不安があるな」
康「色々調べていくと、間違った知識が蓄積されるから、正しい姿勢を取ると違和感が凄いんだよな。変な話、色々知ってる人と、知らない人なら、知らない人の方が習慣を治すのは簡単」
賢「何故だ?」
康「知識がないから偏見もなく受け入れられるからな。すぐ実践してくれる。逆に、賢の様に色々と知っていると、今みたいに『それは違うんじゃないか?』ってなるから、実行しにくかったりする」
賢「確かに、教えてもらってるのに何回か反論してるな」
康「まあ、こればっかりは情報を出している側が知らないのに書いてるのが問題なんだけどな。後は、考え方によっても変わるし、人によっても体が違うので、賢の体を見てもいない人のいうことが合っているわけがないんだよな」
賢「じゃあ、食事やサプリなんかは?」
康「それらも万能なものなんて殆どない。食べ物や栄養で肩こりが緩むなんてことはないから、全く気にしないで大丈夫。しいて言えば、小食にすることかな」
賢「なるほど、色々と調べてたのが逆に足を引っ張っているのか」
康「そうそう、実際はあまり詳しくない方が健康になりやすかったりする。整体師で腰痛、肩こりがある、って人も結構いるでしょ?詳しいのと、自分が健康なのはまた別の問題なんだよね」
賢「じゃあ、まとめると」
・インターネットで見る情報は真偽不明
・別々のところで同じことを書かれていても、効果がなければすぐやめる
・書いている人はあなたの体を知らない
・食べ物を変える、栄養を取るで筋肉は緩まない
・整体、接骨院などで、あなたの体を見た人のいうことを信じる
・うのみにせず、ちゃんと自分で判断する能力を忘れないで!
賢「っていう感じかな」
康「そうそう、そんな感じ。結局、賢の体を見てないから、誰も合ってることは言えないな」
賢「じゃあ、今までやってた習慣は?」
康「むしろ始めてから悪くなったんだろ?じゃあ、しない方が良いだろうな」
賢「健康のために始めたのにな・・・」
康「そうそう、情報信じてしてみると、案外無駄なことが多いから、色々してる場合は一旦全部やめてみるのも良いかもな」
賢「そうなんだな・・・ありがとう!勉強になった!」
康「それは良かった!もし良い記事だと思ったら、下記から共有してもらえると嬉しいです!」